2020/12/25 15:00

ポリフェノールの抗酸化作用を求めて
ポリフェノールの含有量が多い食品やサプリメントを、あえて摂取されている方も少なくありませんよね。


フレンチ・パラドックス


30年ほど前、「フレンチ・パラドックス」という言葉が生まれました。
フランス人は相対的に喫煙率が高く、フランス人の食生活は高カロリーにもかかわらず、実際には、心臓病に罹患することが他の国に比べて若干少ないという調査結果が発表されました。
そこで注目されたのが、フランスが、その消費量で世界一である赤ワインでした。



赤ワインに含まれているポリフェノールが、身体に良い働きをしているのではないかと考えられました。 


ポリフェノールとは


ポリフェノールは、植物が光合成を行うときにできる物質の総称で、カテキン、フラボノイド、イソフラボンなどその種類は5000種以上あると言われています。
代表的な食品は、赤ワイン、コーヒー、緑茶など。苦味や渋味が強く、色の濃い植物の実(特にその皮や種)に多く含まれています。

つまり、植物が無事育つために外界から身を守るための“武器”なのです。

特にポリフェノールのは、活性酸素の働きを抑える「抗酸化作用」を持つことが注目されています。


ポリフェノールは吸収が難しい


実は、ポリフェノールは、タンパク質を変性させてしまう作用もあります。
そのため、私たちは「抗ポリフェノール物質」として、ポリフェノールと結合して、ポリフェノールを無毒化させるタンパク質を唾液中に備えています*¹。

また、ポリフェノールは小腸での吸収が非常に悪く*²、ほぼ体内に吸収されません。


ですので、ポリフェノールが多いと謳われている食品やサプリメントを摂取しても、その効果は実際にはほとんどありませんし、私たちの体への影響は非常に低いのが現実です。


蜂蜜にも『ポリフェノールがたくさん含まれて抗酸化作用が非常に高い』と謳われているものもありますが、実際には、蜂蜜の抗酸化作用はポリフェノールの含有量のお陰ではなく、全く別の機序から来るものなのです。


<参考文献>
*¹ Phytochemistry, 1994 Sep;37(2):357-71 J Agric Food Chwm, 2002 Mar 13; 50(6):1593-601 *² Free Radic Biol Med. 2006 Dec 15;41(12):1727-46




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